Missing

空目恭一の言葉。座右の銘にしている一つ。

近藤。思考停止に安住するな

お前が自分を馬鹿だと放言するのは自由だ。そう思うのも、別にいいだろう。だが、それを理由にして、思考を止めるのはよせ。本当の馬鹿はそこから生まれるからだ

いいか、近藤。自分を賢いと思っている奴は、方向性の差はあれ確かに頭がいい。彼らはそう思うと同時にそうあろうともしているからだ。彼らは自分に思考を課している。自分に求めている頭の良さを、彼らは思考することで常に引き出そうとする。彼らは他人より少しでも多く、考えようとしているわけだ。

いいか、ここからが重要だ。脳とは使うことで研ぎ澄まされる器官だ。よって思考を自分に課すものは、それだけ脳の機能が先鋭化している。そいつがどんなに馬鹿に見えても、思考を好む人間は脳のどこかが必ず発達している。自分の能力の方向さえ見誤らなければ、それは極めて大きな力になり得る

だからな、近藤。考えるのを、やめるな。思考停止は楽だが、それに安住すると脳の発達を阻害する。論理、計算、想像。何でもいいから考えろ。脳を使って特化しろ。思考すれば必ず脳は応える。脳はそのための器官だからだ

近藤でも能力の差、あるだろ

知るか。脳の能力など外から見て判るものか。世界の誰も、自分の才能など分かってはいない。初めから誰も知らない以上、そのスタートラインは誰もが平等だ

自分を使って、把握しろ。道具と同じだ。それだけが、自分の機能を知る唯一の方法だ

神隠しの物語222項。電撃文庫甲田学人著2001年初版

Missing神隠しの物語(電撃文庫)

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